きっかけ

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この一条高校は、グラウンドがものすごく広く校舎が広ければ教室も広いので、校門に行くまでに結構な距離を歩く。 体育館も3つあるし…。 移動授業のときははぐれたら、よくて遅刻悪くて迷子だ。 イコールはぐれたら単位が落ちる。 つまり私は絶対に卒業できなくなる。 それが分かっているので、直紀くんをものすごく頼りにしようと思う。 直紀くんは地理を覚えるのが得意らしいから。 孝くんはあまり自信がないらしいが、私よりはましなのでこちらも頼りにすることに。 そう思っているうちに、バスがやってきた。 大和兄ちゃんが先に乗り込み、席を確保してくれた。 大和兄ちゃんが窓際を譲ってくれ、孝くんと直紀くんが前の席に座る。 三人ともゲームの話をはじめたが、私は酔いやすいので窓の景色を見ることにした。
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