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7月12日
PM8:10
伊勢南警察署
警察署へと戻った速見達は、遅い晩飯を 食べている最中であった。
「速見君。今日の勤務日報、後で本部に報告しといて。」
「分かりました。」
そう応えた速見は、書類に今日の事件記録を書き始める。
速見達が取り扱った事件等を書面にし、本部に報告しなければならないのだ。
「あ~。速見君。食事の後でもよかったのに。」
「いえ。こういうのは早めに終わらした方がいいですから。」
そう言いながら、速見は、黙々と書面を記載していく。
そんな速見に申し訳なさそうな表情で見つめる佐藤は、カップ麺にお湯を注ぎ、自分の席へと座る。
「すまないね。それじゃ先に食べてるよ。」
「ええ。どうぞ。」
そんな会話をしていると、机に置かれていた電話がいきなり鳴りはじめる。
直ぐさま速見は、電話を取り応対する。
「はい。地域課速見です。」
『あ、速見さん!本部の高橋です。』
電話の相手は、警察署本部の高橋巡査であった。
「何かあったんですか?」
直ぐさま用件を問う速見。
この手の電話はほぼ間違いなく事件の内容だ。
『ええ。なんか110番通報で架かってきたんですが、ちょっと内容が変なので。』
「変?」
『はい。女性からなんですけど、なんか化け物が襲って来る。助けて下さい。って内容なんですよ。そこで、切れちゃって。』
「化け物?」
速見は、なんだそれはと言わんばかりに高橋に問いかける。
「悪戯じゃないんですか?」
『ええ。私もそう思うんですが、なんか、危機迫る声だったので・・。多分精神錯乱者だと思いますので、一応現場に行ってもらいませんか?』
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