第一話「遭遇」side:速見

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7月12日 PM8:45 伊勢広町某所 「着きましたね。」 「ああ。」 現場へと着いた速見達は、付近を見渡す。 そこには、一軒の民家があるだけで、周りは、田んぼ、山が見えるのみであった。 速見達は、民家の前に行き、表札を確認する。 そこには、「林」と書かれていた。 速見は、早速玄関の前にある呼鈴を押す。 ピンポーン・・・。 「林さん!伊勢南警察です。110番通報を受け参りました!」 返事はない・・・。 再び呼鈴を押す速見。 ピンポーン・・・。 「林さん!いらっしゃいますか?」 民家からは、何も反応はなく、静けさが漂っている。 「う~ん。」 「居ないのかな?どう思う?速見君。」 「どうですかね?部屋の明かりがついているので、居るとは思うのですが・・。」 速見の意見は最もである。 民家の部屋の明かりは殆どついているのだ。 「居留守を使っているとは、考え難いし・・・」 「そうだな・・。」 二人は顔を見合わせると、速見は玄関のドアノブに手をかける。 カチャ・・ 開いてる? そう思った速見はゆっくりとドアを開ける。 ドアが開くと同時に漂って来る独特の臭い・・。 「く!佐藤部長!」 「ああ。これは!」 一般人であれば、気が付かない臭いであるが、現場を知る速見達なら直ぐに分かる臭い・・。 そう・・。 人の死体の臭いだ。
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