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人?
速見が見たのは、台所の隅で背中向きに疼くまる人影。
すかさず、声をかけようと近づく速見。
「林さん?」
疼くまる、人影の肩に手をかけようとするが・・・。
「く!これは!?」
伸ばした手を直ぐさま引く速見。
無理もない・・。
疼くまって居た人影は、首がなかったのだ。
「これは・・。酷い・・。」
目の前の惨状に言葉を漏らす。
首のない人は、身動きはなく、首の先端から血がポタポタと流れ落ちているだけであった。
速見は直ぐさま無線を取り、現状を報告しよとしたその時!
ヒタ・・ヒタ・・
後ろから、聞こえてくる足音・・。
無線のマイクを持ったまま、耳を澄ます・・。
ヒタ・・ヒタ!・・
足音は、近づいて来る。
速見は、ゆっくりと無線機のマイクから手を離すと、右手に持っていた警棒に力を入れる。
速見はわかっていた・・。
後ろから近づいて来る奴が、人影の首を取り、無き者にした奴だと・・。
頬から流れ落ちる汗を拭おうとはせず、ただ後ろから近づいて来る相手に神経を研ぎ澄ます。
意を固め、速見は素早く後ろを振り返る。
「な!・・・。」
振り返った速見は言葉を失った。
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