第一話「遭遇」side:速見

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人? 速見が見たのは、台所の隅で背中向きに疼くまる人影。 すかさず、声をかけようと近づく速見。 「林さん?」 疼くまる、人影の肩に手をかけようとするが・・・。 「く!これは!?」 伸ばした手を直ぐさま引く速見。 無理もない・・。 疼くまって居た人影は、首がなかったのだ。 「これは・・。酷い・・。」 目の前の惨状に言葉を漏らす。 首のない人は、身動きはなく、首の先端から血がポタポタと流れ落ちているだけであった。  速見は直ぐさま無線を取り、現状を報告しよとしたその時! ヒタ・・ヒタ・・ 後ろから、聞こえてくる足音・・。  無線のマイクを持ったまま、耳を澄ます・・。 ヒタ・・ヒタ!・・ 足音は、近づいて来る。 速見は、ゆっくりと無線機のマイクから手を離すと、右手に持っていた警棒に力を入れる。 速見はわかっていた・・。 後ろから近づいて来る奴が、人影の首を取り、無き者にした奴だと・・。 頬から流れ落ちる汗を拭おうとはせず、ただ後ろから近づいて来る相手に神経を研ぎ澄ます。 意を固め、速見は素早く後ろを振り返る。 「な!・・・。」 振り返った速見は言葉を失った。
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