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そう言って書類の束を受け取る水無月。
そんな水無月に対し坪田は話しを持ち掛ける。
「お詫びといっちゃ~なんだが。今日夜にでも晩飯でも奢ろう。」
「今日の夜ですか・・。すみません係長。今日の夜は用事が・・。」
「あ!すまない。彼氏とデートするんだよな~。」
「ええ!?か、彼氏なんて居ませんよ!」
必死に否定する水無月に対し、笑いう坪田。
「ガハハハ!そんな必死に否定しなくてもいいぞ。それより本当の理由はなんだ?」
「え~とですね。先月契約を取った山形さんのお宅へ行くんです。なんでも保険のシステムがよくわからないみたいなので・・。」
山形さんとは、水無月が先月、保険の契約を取った老婆である。
「そうか・・。山形さんっていえば確か住まいは、山奥の方だったな。一人で大丈夫か?」
「はい!大丈夫です!車で1時間くらいですから。」
「わかった。無理はいかんぞ!」
「分かりました!ありがとうございますぅ。」
そう言って一礼すると席へと戻る水無月。
「ホント良い子だな~。彼氏が居ないのが不思議なくらいだ。わしももう少し若ければな~。」
そんな水無月を見ながら坪田は呟くのであった。
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