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エルドラント…最期の地…
愚かな髭で遊び終わった後にこの場に集まった六人のオリジナル
「やっと来たのか?遅かったな♪」
「貴様…何でここに居やがる!!」
俺の被験者が剣を鞘から引き抜きご立派に俺を威嚇している。まぁ♪俺にとっちゃ痛くも痒くもないが
「何でってローレライの解放を妨げるため…に決まってるだろ♪」
クスッと笑い変わり果てた髭から足を離す。
「兄さん!!!」
ようやく見えたウ"ァンの遺体にティアが声を上げる。髭を倒しに来たのにまだ“兄さん”か…本当にお前軍人か?
「偽物のくせに!!!私たちの邪魔をしないで!!」
俺が呆れてる中アニスがトクナガの背に乗り突進してくる。
「そんなに偽物が嫌いか?」
クスッと笑いながら最小限の動きでかわし、トクナガからアニスを引きずり下ろす。
「…お前が守っていたイオンも偽物だったんだぜ?ぁあ…そっかだからお前はイオンを見殺しにしたのか」
アニスの耳元に唇を近づけそっと囁いてやった…
「ちがッ!!私はイオン様を見殺しにしてない!!!」
言葉を聞いた瞬間アニス目を見開き一瞬俺を見た。そしてイオンの事を思っているのか目をギュッと閉じ必死に首を左右に振り現実から目を背ける。
ぁあ…ウザイ…こいつにイオンが殺されたと思うとイライラしてくる
ザシュッ!!……ゴト…
「見殺しにしただろ??モースの言う通り預言を詠ませて……って人の話は最後まで聞かないと駄目だぜ♪」
表情を変えず転がる紅い果実を見る。その横で血が噴水の様に吹き出ている身体がゆっくりと音を立てて倒れる。
―紅い―鮮血―
「「ア…アニ…ス…」」
アニスの無惨な姿に口に手を添えその場で涙を流し座り込むティアとナタリア
「き、貴様~!!!」
額に青筋を立てながらアッシュが此方に向かって床を蹴って走って来る。感情に流されやすい被験者を見ながらため息を付く。
―キイィィィン
「な、に…」
アッシュは持っていた剣が弧を描きながら舞い上がるのを驚いた表情で見いた。
「弱いんだよ…吹っ飛べよ…」
ドンッ!!!
隙だらけの体を烈破掌で弾き飛ばす
「ルーク!!!!」
すぐさまナタリアが“ルーク”と呼びながらアッシュの元へ駆け寄る。
…虫酸が走る…
七年間彼奴はアッシュの記憶を俺に望んでいた。結局俺自身はアッシュの代用品……俺はルークに成りたかった訳じゃねぇのに…屋敷の奴等にルークにされた。
こんな奴等に認められようと足掻いた俺に腹が立つ!!
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