記憶を失った少女

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キーンコーンカーンコーン 授業の終わりのチャイムが鳴り、周りが騒ぎ出す。 「昨日のテレビ見た!?」 ガヤガヤ 「そのケータイのストラップ可愛いね~」 ガヤガヤ 何で授業が終わってからそんなに騒げるんだろ。 私にはそんな元気がない。 先生が来るまで寝とこうかな。 私が目をつぶろうとした時、後ろから足音が聞こえた。 「優奈ちゃん、寝ちゃだめだよ~」 明るい声が耳元に聞こえ、私は体を起こした。 「玲奈」 話しかけてきたのは私の親友の水原玲奈。玲奈は明るくフレンドリーで男女ともに友達が多い子。 「優奈は本当によく寝るよね」 いきなりこんな失礼なことを言われた。 「そんなことないよ。ただ授業に疲れたら休むだけ」 もちろん反論する。失礼すぎる。 「じゃあ疲れすぎだし、休みすぎ」 「それは否定出来ない」 結局よく寝るってことになってしまった。 「よくそんな休み時間に寝れるよねぇー」 「そりゃ授業中にあんなに寝てたら休み時間は目がパッチリだろうね」 さっきのお返し。 「失礼な!」 玲奈はやっぱり怒った。
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