記憶を失った少女

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私の席は窓際の前から2番目。 私は先生の特徴的な髪型を見て笑っていた。(ハゲです) その時1人の男子生徒が横を通った。 「5年ぶりか…」 「…?」 その時は何のことを言っているのか分からなかった。 けどその後気づいてしまった。 あのひと言が私の人生を変えることになるなんて… 放課後――… 「早く帰るよ~」 「うん。ちょ、ちょっと待ってよ!!」 いつも私は玲奈と帰っている。 それはもちろん今日も同じ。 そして今日もおいていかれる。 「まだ~?」 「今行く~」 私が玲奈を下駄箱から追いかけようとした時さっきの男子生徒が横に居た。 「あっ…」 「ん?西川、何か用?」 彼は不思議そうな顔をして私を見つめる。 「あっ、いや、何でもない…です」 私はさっきの言葉は気のせいかと思い、玲奈の方へ走っていった。 「優奈…」 悲しげに呟いた彼の声は私には聞こえなかった。 あの人の名前知らないや… 私は名前すら知らなかった…。
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