あたしは…、南ですが…?

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あたしは声をかけてくれた人の方を見た。 しかし逆光で誰だかはわからなかった。 ?『大丈夫そうだね。でも念のためまだ寝てた方がいいよ』 ?『その通りだ。まだ寝ていろ。練習はそのあとでだ。』 南「れん…しゅう……?」 なんのことだかさっぱりわかんないあたしは無意識に声に出してしまった。 ?『練習だよ。頭打って記憶喪失になったかい?』 やけに優しい声で言ってるのになぜかすごい恐怖を覚えたあたし。 ?『テニスの練習に決まってるだろ!!まったく…たるんどる!!』 テニス…? たるんどる……? 聞き慣れたワードがあたしの無い脳みその中に並べられ、一つの答えに辿りついた。 南「さ…、真田くん!?」 あたしがこよなく愛すテニスの王子様の立海テニス部副部長の真田弦一郎くん!? 真「あぁ…、そうだが…?」 すっげえ!!マジ!? ……いや、なんで!? 頭の中がパニックになっていると真田くんの横からクスクスと笑い声が聞こえてきた。 ?『君はおもしろいね。』 真「なにを笑っている?幸村」 幸村…? 幸村…精市くん!? 幸「そうだよ。俺は幸村精市だよ」 あ…、そうだった。 幸村くんは読心術使えるんだったっけ…。 幸「俺のことをよくもそこまで知ってるね。見ない顔なのに…。ねぇ、君の名前はなんて言うんだい?」 あたしの…名前? 南「あたしは……南ですが…?」 幸「南さんか。君がうちの新しいマネージャーだね?」 南「ま…、マネージャー?」
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