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「ねぇ~きょう、ごーいんぐの生放送頑張ったから、いーこ、いーこ、して?」
「…。」
>> アキバいろ。
夜中の生放送も無事に終了して帰宅。
疲れたカラダを癒そうと風呂に直行したのがいけなかったのか。
うえだが、
壊れた。
「なんのギャグ?」
「は、おまえが…!じゃなくて、いーこ、いーこ、してくんないの?」
にゃん、にゃん、って擬音が似合いそうなわざとらしい仕草が正直気持ち悪いけど。
機嫌を損ねるとめんどくさいから言われたとおりに、いーこ、いーこ、を。
あ、意外と久しぶりにするかも。
「えへへ、」
「…なに、なんなの」
「やっぱ嬉しいもんだね、いーこ、いーこ♪」
ふにゃん、と表情を崩して笑う笑顔が、いくつになってもかわいくて。
デレたあまえんぼのうえだが、かわいくてしょうがなくて。
その、一回り小さなカラダを抱きしめた。
「うえだ、かわい」
「んふ、すきなんでしょ?」
「うん、すき。だいすき」
ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、って強く抱きしめても、まだ足りない。
言葉にならない想いが、全部伝わればいいのに。
「なかまる、くるしー」
「うん、」
「うん、じゃねーよ。笑わせんな」
笑わせる要素なんて、いっこもねーよ。
だって、これでもまだ伝え足りないって、カラダがうえだを欲してる。
「なぁ、ベッドいこ」
「えー」
「誘ったのはお前だろ」
「じゃあ、あれ言ってくれる?」
「あれ?」
少し背伸びして耳元で。
ふは、なんだ、そういうことね。
「いいよ、満足するまで言ったげる」
手を引くうえだの顔はまっかっか。
なんだ、ああいうのが好きなのかって、今さらながらの新発見。
そんなわざとらしいことしなくても、俺はうえだならなんでもいいってわかんねーのかね、ほんとに。
(お前なら一緒にいてやってもいいぜ)
(や、ぁ)
(あ、しまったよ)
(ん、つぎはー)
(ちょ、いまは集中しろって)
fin...
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