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なぁ、久しぶりに。って懇願されて、一緒に入った小さなお風呂。
明るく伸びた髪の毛を念入りにトリートメントすれば、気持ち良さそうに目を細めた。
もわもわの泡と細い指が優しく顔を覆って、心地よい温かさに全身がぽわんとなる。
いつまでも洗い流されない泡がいい加減息苦しくなって、名前を呼んだと同時に勢いよく叩きつけられた大量のお湯。
「ごほ、ちょ、おま」
「んはは、」
何度も往復する乱暴な手をぎゅっと捕まえると、霞んだ視界でゆういちと目があった。
「それ、反則」
「お前がお湯ぶっかけるから、っ」
「もう無理、」
キス、キス、キス。
触れて啄み絡み合い、酸欠寸前で伝えた場所移動。
風邪引くからってカラダはちゃんと拭いてくれたのに、濡れたままの髪の毛から滴り落ちる水滴に気づかないあたり。
余裕ねぇんだろうな、って手を引かれた先、細い背中を見つめた。
「…っ、」
「たつ、…なぁ、たつ。声、我慢しないで」
もっと聞かせてって耳元で。ぞくりとする低い声。
それでも快感に素直になれない俺の、奥の、奥の、最奥を。
狙って突く自身が、ぐんと質量を増して。
「全部あげる、っ」
ぎゅ、と掴んだシーツがこぼれた涙を拾うと、ゆういちの全てが俺のナカへと流れ込んだ。
「痛かった?」
「…ちがう。分かってるくせに、」
「しあわせ?」
ん、とそっと目を開ければ、繋がったままのゆういちが柔らかく微笑んで。
「やばい、きゅんとしたー」
「うん、カラダが正直」
衰えることない自身がナカで小さく跳ねるから。
「ゆういち?」
「ねぇ、たっちゃん」
「ん?」
「あと何回シてい?」
「…。」
ゆういちが満足するまで、って引き寄せた耳元で囁けば、真っ赤に染まるほっぺた。
「ごめ、頑張ってくれる?」
「覚悟はできてるよ」
甘くて熱い夜のハジマリ。
二人揃ってのオフはこんな感じで過ぎていく…。
fin...
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