第一章

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「おう!お疲れ!雪ちゃん。今日も残業をしてたの?」 私に近づいてくるとその人田宮ミチルさんは隣に並びながら尋ねてきた 「はい。もちろん。他の皆さんはほとんど帰られたみたいで残っていたのは私と野村さんだけだったみたいです」 外を見ながら話す私。まさか居るとは思わなかったのでなかなか田宮さんの顔を見れずにいる 「なるほどな~。最後まで頑張るね。まあ俺も似たようなもんだけど、さすがにずっとはエラい。本当は雪ちゃんを見習わないといけないけどね」 田宮さんはため息をつきながら片手で肩をほぐし始めた。 「いえ!そんな!私なんてまだまだですよ!見習わないといけないのは私ですから…田宮さんはそのままでいいんです」 会社にいて私にとって幸せな時はこうやって田宮さんとお話しをする事だ。誰よりも他の人よりも唯一安らげる時間でもある。辺りは誰もいないせいかいつもよりゆっくり話す事ができた 「まあでもだいぶ外も暗いしこのまま一緒に行こうか。せっかくだしね。」 お話の後田宮さんは私にそう言うと一緒にそのままエレベーターまで歩いてくれた
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