9月3日‐始めの一歩‐

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「基本的にガツガツ食べたくないしな、学校じゃ。午後の授業が辛くなるし」 絶対にそうなると寝るしな、俺は。だからって自分から眠気を誘う事はしない。何でかって言われると、何もない訳だが。 「さすがテスト上位者よねー。普段の心掛けが違うじゃない」 「俺が頭良いとかじゃねーって。天音だって、毎回俺と同じようなもんだろ?」 うちの学校自体、考査テストの作り方が甘い気がする。模試だと学校のテストみたいに上手くはいかないし。天音は模試の成績も良いらしいし、俺よか勉強できるって事だろ。 「あくまで順位はね。点数で見ると多分貴方の方が高いのよ?」 「良く言うよ。そんなに変わるもんかね」 「変わるわよ。大神くんって家じゃ一切勉強してないんでしょ?それであんな順位なら、明らかに私よりできるって事じゃない」 悔しいのか何なのかよく分からないが、刺すようにして卵焼きを口に運ぶ天音。 「俺が家で勉強しないのは、学校で十分してるからってだけだからさ。学校以外で勉強したくないしな」 勉強は学校でするのが俺のポリシー。テスト前だからって徹夜で慌てる奴の気が知れないな。 「だからそれが羨ましいのよ、私は」 「でも俺、模試はボロボロだし」 そこが俺と天音の一番の違いだと思うんだけどな。
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