古の剣

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目の前に広がる深緑に生い茂る森。アメイルの王都から馬を走らせ半日、僕達の目的地だ。 明け方に出発したのでまだ時刻は昼過ぎ。日はまだ高いはずなのに森の中は暗い。 深々と生い茂る木々は外部からの侵入者を拒んでいるかのようだ。 「二ヶ月間缶詰めで訓練。あれに比べりゃちょろいもんだろ。憂さ晴らしにとっとと片付けようぜ」 カインは訓練を思い出したのか眉間にシワを寄せて言った。 入隊してから二ヶ月がたった。確かに思い出すと寒気がする。 僕達士官候補生の教官は、入隊式典の時に長々と挨拶をしていたヴォルト少佐だ。 蒼い野獣の通り名に恥じぬ野獣っぷりで僕達も相当しごかれた。 その訓練を修了して、准尉として小隊長カインが誕生した。 そのカインの初陣が今日、まさにこれからなのだ。 任務の内容は今目の前に広がる森に住み着いた賊の討伐。 彼らは民間人を狙うらしいので僕達の小隊はみな民間人の格好をしている。 武器は布に包んで荷物と一緒に背負っている。 森から目をそらしカインへと視線を戻すとカインが僕をじっと見ている。青い瞳は青空のように澄んでいた。 「どうしたの?」 「いや……、オレのとこに残ってくれてありがとな」 カインは照れ臭そうにうつむきながらそう言った。
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