プロローグ

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──同時刻 ■オリンポス近辺 (虹の鍵クエスト) 空は見渡す限りの黒い雲に阻まれて、太陽の光を全て遮断している。 そのクエストは、通常のボックスに入ってプレイする物とは異なり、ある地に足を踏み入れると強制的に始まるように作られていた。 クエスト名、虹の鍵。 普通ならば頭に思い浮かぶ虹と言えば、彩り豊かな色を想像するところだが、このクエストのフィールドは、それとはかけ離れた景色だった。 黒い雲からは雷鳴が轟き、夜の様な薄暗さの麓では、植物は生えることなくただただ高い岩肌と多くの山脈が果てしなく続いている。 その不気味な地の一番奥には、山脈と山脈の間に廃墟化した大きな古城が建っていた。 多くの者は、その地に足を踏み入れるだけで、嫌悪感と恐怖心に負けて足を退く。 しかし、今、その古びた城の入口では56の無機質で機械的な兵器が構えていた。 兵器の外見は、全長5メートルほどで、形はそれぞれ細かく異なるが、全体的に重装備でメタリックボディーな輝きを放ち、両腕には機関銃やライフル、鋭く光る刃などの様々な武器が取り付けられている。 人間が搭乗した人型機動兵器。 その56の数にも上る兵器達が、虹の鍵クエストに挑戦し、城の入口まで制圧したところだった。
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