前書き

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竹田:もう職種も何も問いません! とにかく今すぐ働ける所を紹介して下さい! 職員:って言ってもね・・・竹田君、 キミここ来るの何回目? ここはどこにでもある ハローワーク そこに今や常連となってしまっている 竹田広之(たけだひろゆき)という青年が 今日も今日とて職を探しにやって来ていた 竹田:今までの職場では 俺の力を生かすことができなかったんですよ! 職員:それってさ・・・ ただやりたくなかっただけじゃないの? そんなんじゃいつまでたっても まともに職なんか着けないよ? 竹田:とにかく頼みます! 俺にはもう後が無いんです! どうか・・・頼んます!! 職員:・・・・・・・・・ 職員はしばらく考えていたが、 近くにあったメモ用紙を手に取り 何かを書き始めた 職員:実際キミの様な人は初めてじゃないし今まで多く見てきた、 その度にここを紹介してきたんだけど・・・ 職員はあまり勧めてはいない口調で どこかの住所を書いている様だった 竹田:・・・わかりました! 明日そこに行ってみます! 職員:そう? じゃあ僕の方から一応連絡入れておくから 竹田君は履歴書を準備しておいて 竹田:わかりました ありがとうございます! 竹田は職員から住所が 書かれた紙を受け取り 席を離れハローワークを後にした 職員:今度は・・・大丈夫かな? ・・・これで最後にしてくれよ鹿神・・・ お前の所に行かせるのはこっちだって気が引けるんだから・・・ 職員は少しトーンを落とした口調で呟きながら 竹田の後姿を見送った
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