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「やっちゃったな~」
1人寂しく呟く俺である。
どう考えてもいったい何がしたかったのかが全く自分でもわからない。
ヘデス。
それはどんな場所だろう。
なんて言えるほどの余裕は微塵も無いわけだが、一つわかることがあるとすれば暗かった、という事だろう。
場所は光の存在を許さず
光はその場所を照らせない。
まるで宇宙の奥底のような空間だった。
そんな場所に飛ばされたオレは、ひどく硬直していた。
「とりあえず、今度あったらちゃんと謝ろう」
俺はそうきめた。
───…一方そのころ
走り去ってしまった友人、兩弥を見届けた梓。
彼女は今唖然としている。
「なんかした、のかな…」
しかし、自分でも何かしたような覚えなどない。
ではなぜ…
「ちょっと気になるなぁ…今まで私に隠し事なんてしなかったのに」
実際にはさせなかったのだがな。
昔からからだのあちこちに盗聴器と小型カメラはつけていて。
その日その日の行動や言動が全てわかっている。
梓には兩弥の知らない事など何一つないのだ。
だからといって、兩弥を束縛している訳ではない。
もっと大切な物に使うためにこんな事をしている。
そういう事があり。
兩弥は秘密を作る前に全て私に話してくれた。
それが普通であり、当たり前の事だった。
だからこそ、今日の兩弥の行動は初めてだ。
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