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『僕たちのことは誰にも喋っちゃだめだよ。』
そう言い残して白河先生は黒瀬さんを連れて帰って行った。
「猫人…。伝説上のものだと思っておったが、本当に存在したとはのう…。」
「信じられないような話だけど、変身するとこ見ちゃったし…。」
私とおばあちゃんはしばらく気が抜けたように二人がいた席をぼーっと眺めていた。
「あっ、いけない!」
「いきなりどうしたんじゃ?」
「制服を取りに行かないといけないの忘れてた!」
「入学式は明日じゃったな。忘れないうちに行っておいで。」
「うん!行ってきます!」
「――何事もなければよいがのう…。」
あわただしく用意をする凛を見やりながら、おばあちゃんはため息をこぼしたのだった。
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