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「次、八幡」
「はーい。先生、俺当てちゃうよ?」
「いいから、早く書け」
「へーいっ」
明るい、お調子者だとすぐにわかるような口調で話していた八幡という少年が黒板に解答を書いている。
「…八幡…」
八幡とは小学校からの付き合いで幼なじみのようなもので、所謂親友という奴だ。
自然に壁を通り抜け、黒板の傍まで寄った。
スラスラと鼻歌なんて歌いながら書いている。
ふっ、と鼻で笑みを浮かべながら笑ってしまった。
「…あっ。そこの符号逆じゃ…」
思わず口を押さえる。
でも、聞こえていない事を思い出すと胸がキリッと傷んだ。
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