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鏡には映らない。
物にも触れない。
壁を通り抜けれる。
所謂、幽霊になってしまった。
「天国に自力でいけってか…」
嘆息のため息を吐いた。
極楽浄土は嘘か、などと文句たれながらベッドに腰掛ける。
力が抜けていたからなのかベッドを通り抜けてしまった。
頭部は突き抜け胴体はベッドに重なり、足が突き出てる。
尻餅をついたが、まるで空気がぶつかるように軽かった。
だけどびっくりした。心臓がドキッとしたような
「気がしただけか…」
「あはははっ、間抜けな格好だな。コントロールは難しいか」
何処からか声がする。
見知らぬ声が聞こえたことは、勿論ぞっとしたけどこんな非現実的な状況の中での陽気な声は苛立ちを彷彿させた。
すると後ろから蹴られた。
―蹴られた?
蹴られた後頭部を抑え、後ろを振り返るとベッドに乗っている男がいた。
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