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ふと目を開けると本当に僕は風になっていた。
ふわりと身は風に流されている。
不安定な足場。
まぁ、もとより足場なんて空気上には存在しないのだが。
だからといって落ちる事もなかった。
風が弱まると静かに地面に着地できた。
「…学校か。夏休みに学校なんてよく来るよな。」
夏期講習、部活、哀れにも補習に来た生徒が正門から入っていく。
何でまた学校なんかに着地してしまったのか。
だからと言って再び空に戻るには高いところから風にのらなきゃならない。
つまりは屋上に行かなきゃならないから、校内に入らなきゃならない。
「面倒だけどしかたないか」
幽霊的方法で校内に入る。
中は静かだった。体育館の方からシューズが床を滑る音とそれに合わせて聞こえる声援。
二階に上がる。
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