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先生が黒板を書く音。
音読する声や、CDの再生音。
あとやたら声のでかい先生の声が聞こえる。
それに紛れて不思議な声が聞こえてきた。
『帰りたーあついー』
『ヤバいなぁ、わかんないやぁ』
『帰ったらゲームしよっと』
耳に入ってくる音じゃない。
直接脳に届くような。
言うならばテレパシーのようなのだろうか。
「おっまえ、中々願い事言わないから使っちまったよ。どうよ、“心の声”が聞こえる感想は」
「…死神。何勝手なことしてんだよ」
「いいじゃねぇか。あと2つはあるわけなんだし?」
余計なお世話、とはまさにこの事だ。
使うつもりは無かったが、勝手に使われると腹が立つものだ。
“心の声”というものが聞こえるようになってしまった。
確かに人の心を読めたら、なんて夢に描くことだ。
願ったり叶ったり、ってやつか?
いや。知らなきゃよかった、そう思った。
そう思ってると、ふと願い事が思いついた。
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