満月の夜に

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俺は地面を這いながら、必死に逃げる。 大男はこちらを追ってくる様子はない。 俺は全力で撒こうと走った。 ―ドスンッ…! 前も見ずに走っていると、誰かにぶつかった。 (ぶつかった?誰もいなかったのに!?) ぶつかった相手を見上げると、 「逃がさない…。」 あの大男がいた。 「うええええ!!?」 俺は目を疑った。 すぐさま反対側に転換し、走り出すと、大男がなにかを呟いた。 「阻め…!」 すると、目の前のアスファルトが盛り上がっていく。 「は!?なんだよ、これ!」 俺は無謀にもぶち破ろうとしたがって、軽く撥ね飛ばされた。 「これで……逃げられまい!」 ―ザクッ! 肉をえぐるような音がした。 いや、肉をえぐられた。 大男は俺の足をに噛みついていたのだ。 「うぅ…うわあああああああああああああああああ!!」 プシュウッと血が勢いよく吹き出た。 「さあ、一緒に来てもらおう…。」 もだえる俺の左腕をつかむ大男。 俺はとっさにさっき買ったボールペンで奴の手を突き刺す。 ―ブシュウ! 勢いよく大男の体液が俺の顔に吹き出した。 「グオオオオ!」 大男は叫ぶも腕は離すことはない。 今ので渾身の力を使った俺は、逃げる間もなく、その場で気絶した。 その瞬間、微かに見えたのは 「そこまでよ!観念しなさい!」 といい放つ一人の少女だった。
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