友達。-Ⅱ-

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虎『私の名は教えん。が、いつまでも虎ではな…そうさな…シヴェルと呼んで貰おうか。』 博「シヴェルか。分かった。野田、この虎はシヴェルだそうだ。もっとも本名じゃないが 。」 野田は首をかしげる。理解していないようだ。 順『何で本名を名乗らないんだ??』 尤もな質問だ。 魔法や呪術、その他にも名前は重要な要素になりうる。 博「それはだな…」 言いかけた俺を野田は止める。 順『ちょっと待て、早川知っているのか??』 …………………。 こいつは…。 博「いや、知っているから話そうとしているんだろうが。」 順『あ…そうか。』 苦笑する野田。 博「簡単に言うと名前は縛りだ。こちら側の世界では重要な要素。まぁ…関係無いって言うやつも居るが。名を知られると厄介事が起こる可能性がある。」 野田に伝わっただろうか。何か変な顔してるけど。 …まぁ良いや。 博「とりあえずシヴェルは野田とだな。じゃぁ俺はそろそろ帰る。あ、そうそう、野田はそのままじゃシヴェルとコンタクト取れないだろうから。早めに解決策を見つけておく。じゃぁな。」 部屋を出る前に隅に何か翡翠色に光るものを見つけ拾った。 これは…。 博「シヴェル…ほら。これ。持っておきなよ。」 シヴェルにそっと渡す。 シヴェルは驚きそれを銜えた。 そしてすっと一筋の涙を流し シ『有難う…。』 と弱々しい声で言った。 俺は黙って部屋を出た。 1階で野田の母に声をかけ、家へと向かった。
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