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虎『私の名は教えん。が、いつまでも虎ではな…そうさな…シヴェルと呼んで貰おうか。』
博「シヴェルか。分かった。野田、この虎はシヴェルだそうだ。もっとも本名じゃないが
。」
野田は首をかしげる。理解していないようだ。
順『何で本名を名乗らないんだ??』
尤もな質問だ。
魔法や呪術、その他にも名前は重要な要素になりうる。
博「それはだな…」
言いかけた俺を野田は止める。
順『ちょっと待て、早川知っているのか??』
…………………。
こいつは…。
博「いや、知っているから話そうとしているんだろうが。」
順『あ…そうか。』
苦笑する野田。
博「簡単に言うと名前は縛りだ。こちら側の世界では重要な要素。まぁ…関係無いって言うやつも居るが。名を知られると厄介事が起こる可能性がある。」
野田に伝わっただろうか。何か変な顔してるけど。
…まぁ良いや。
博「とりあえずシヴェルは野田とだな。じゃぁ俺はそろそろ帰る。あ、そうそう、野田はそのままじゃシヴェルとコンタクト取れないだろうから。早めに解決策を見つけておく。じゃぁな。」
部屋を出る前に隅に何か翡翠色に光るものを見つけ拾った。
これは…。
博「シヴェル…ほら。これ。持っておきなよ。」
シヴェルにそっと渡す。
シヴェルは驚きそれを銜えた。
そしてすっと一筋の涙を流し
シ『有難う…。』
と弱々しい声で言った。
俺は黙って部屋を出た。
1階で野田の母に声をかけ、家へと向かった。
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