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「これ、違う。やり直して」 ヒラリと書類をひる返し、デスクの横に立つ後輩に突き返す。 「ハハ…、麗香さんは厳しいなぁ…」 「無駄口言わない。早く」 「すいません」 ダイは苦笑いしながら頭をかいた。 「麗香ちゃん、もっと優しく言ってあげたら?」 ダイがしょんぼりと席に着いたのを見計らい、隣の席の橋野さんが声をかけてきた。 「いーんです。アイツは甘いからこれぐらい言わないと」 「そう?ダイ頑張ってるじゃない」 私より10も年上の橋野さんは、25歳のダイを息子のように可愛いがっている。
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