盗賊の国

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「エル」 「わかった」エルが、腰に巻いていた袋の中から、投げナイフを取り出した。  ラークの横を、ナイフが通る。それは、矢の出どころへ飛んでいった。逃げるしか手段のない敵は、隠れていたところから、姿を現した。敵は、男三人であった。 「一人行ったぞ」ラークが、エルに指示をする。「殺すな。一人は生かしておかないと、事情を聞けなくなる」  ラークの目の前に立った二人は、弓を捨て、懐から、ナイフを取り出した。二人同時に、彼に襲いかかる。  振りかぶった彼等の手が、ラークの一閃で、吹き飛んだ。 「幾ら複数でも、弱いんじゃあな」ラークが、刀の血を拭いながら言った。
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