盗賊の国

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「どういうことですか?」とエルが言った。 「やはり、この国は、交流がないわけじゃないんだな?」 「はい。この国は、盗賊共の集まる国なのです」男は、真面目な表情で言った。「来国者の持ち物を奪い、存在を消しています。お客様を襲った輩も、その目的でしょう」 「そういうことか。だが、来国者の数など、数えるほどしかいないはずだ。どうやって生計を立てている?」 「近隣の口へ、一般人を装い、侵入しています。そこでも活動をしているのです。なので、奴らの本部は、城壁の外に、貼り付くように建てられています」 「だから、南側から出入りできるように、壊されていたんだ」とエルが呟いた。 「じゃあ、本部へ行くとするか」
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