盗賊の国

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 二人は、また南へ向かった。今度は誰も襲ってこない。ラークに鼻を折られた男は、もういなくなっていた。二人の存在は、相手に知られていると言ってもいいであろう。  国外へ出られる穴を発見した。城壁が、乱暴に破壊されている。  具体的な場所はわからなかったため、とりあえず周辺を探索した。すると、余り離れていないところに、本部はあった。 「思ってた以上に大きいね」エルが、本部を見上げながら言う。 「だろうな。恐らく、国内に建てられていた家の所有者が、今は盗賊として働いているんだろう。観光も商業もない国だ、そうやって稼ぐしかなくなるのも頷ける」  そう言うなり、彼は門を開いて、中へ入っていった。エルも続く。 「何者だ」門番をしている男が言った。「その顔、仲間をやった奴らか」  男が、警報のボタンを押そうとする。 「させねぇよ」ラークが彼の前に立ちはだかり、刀で斬る。
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