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……………………
……………………あれ?
俺は……無事、なのか?
体が……重い。
疲れているのか、凄く眠い。
でも駄目だな。
ここが何処だかわからない以上、いつまでも寝ている訳にもいかないからな。
ゆっくりと目を開く。
どうやら俺は仰向けで寝ていたらしい。真っ先に目に入った空は既に夕暮れ。うっすらと朱に染まっていた。
「シュウっ!シュウ~っ!」
なんだか懐かしささえ感じる幼き声が俺を呼ぶ。
大体、腹の上あたりから聞こえるその声。
俺はちらりとその方向を見る。
「フィア……!」
「あ~っ、シュウ、おきた~!」
俺はフィアの無事を確認すると、安堵の笑みを零した。
フィアも、いつからこうして俺の名を呼んでいたのか、いつから俺の上に乗っていたのか知らないが余程嬉しかったのだろう。そのまま勢いよく俺に抱き着いてきた。
……よかった。ちゃんと体も元に戻ってるな。
俺もフィアを抱き返し、頭を思い切り撫でてやると、気持ち良さそうに目を細めるのだった。
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