アホと焦土と復讐者

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「……はっ!」 仰向けに倒れていた私こと、僧侶のミオちんはあまりの空腹感に目が覚めました。 「……お腹空いたですぅ」 呟いてもみますが、当たり前のこと、満腹になるはずもありません。 これは……死活問題ですぅ! このままでは、いずれミオちんは餓死してしまうことでしょう! ああ、大変です!このミオちんが死んでしまうということは、この世にとって大きな損害を齎すことと同義ですぅ! 急いで早く何か口に入れねば……そうですね、出来ればとびきり美味いもんがいい、ですっ。 とにかく、です。 寝ていては話になりませんから、空腹ながら力を振り絞って、ミオちんの小さな足で大地を踏み締めました。 ミオちんは今、この広大なる大地に立っているのです! 「……しかし、驚くほど何もないですぅ……草木の一本も生えていないとは、一体どういう了見なのですかっ!?」 そう、私の立つこの土地は、草木も死滅した死の大地だったです。
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