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翌朝、一段と寒くなった空気が俺を早い目覚めへと誘った。
「……さむ……」
ただいま六時過ぎ。平日に俺が起きるにしては早すぎる。
お袋の転勤を伝えられた日も早起きしたのをよく覚えている。早起きすると不運が舞い込んでくる、なんてジンクスが成立しなければいいのだが。
ひとまず早起きしてしまったものは仕方ない。俺は魅力的な温かさを擁する布団から這い出て、とりあえず体を伸ばした。
視線を下ろすと、昨日まで床に蒲団を敷いて寝ていた臨終の姿がない。お袋の部屋でちゃんと眠っているだろう。
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