【第一部 かつての世界と、文明の明日に心血を注いだ天才の話】

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完璧に思われた布陣。 しかし、完璧なものなど存在しないのがこの世の常。 不具合はすぐに生まれた。 それも、思っても見ないところから。 ( ^ω^)「クー。作業工程がだいぶ遅れているお。どういうことだお?」 プロジェクトがスタートして三ヶ月ほど経ったある日、僕は自室にクーを呼び出した。 まだ三ヶ月しか経っていないというのに、プロジェクトはすでに予定より大幅な遅れをきたしていたからだ。 その件について僕が問いただすと、彼女はいつもどおりの無表情で一言。 川 ゚ -゚)「……すまん。すぐに挽回してみせる」 そう残して僕に背を向けると、彼女はすぐに部屋から立ち去った。 白衣にかかった黒髪が、艶やかに翻っていた。
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