プロローグ

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それから二人はどれくらい歩き続けたのだろう? いつしか空を覆っていた灰雲は晴れ、乾いた地面には太陽の光が差し込みはじめていた。 地平線の先は空の青に溶けていて、荒野は彩りを取り戻していた。 そしてその青の先に男は、一本の立木を見つけ出す。 「あ、木の実が生ってる!」 嬉しそうな声を上げた後ろの影――女は、頭を覆っていた布を取ると、前を歩いていた男を追い越し、茶色の髪をたゆらせながら一目散に立木へと駆け出していった。 遅れて男が到着した頃には彼女は枝の上にのぼっていて、たわわに実った赤い実をせっせと胸に集めていた。
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