第1章

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この世界には、ある特殊なエネルギーが存在する。 それは人間が持つ一種の生命力とも言える存在で、零子と呼ばれた。 この零子量が膨大、即ち零力が高い人類の総称を覚醒者―イレギュラーと呼び。 膨大な零子により変色した毛髪と瞳、高い身体能力、更には固有の特殊能力。 それらを“望まずして”手に入れてしまった彼らは……。 既存の種である“ナチュラル”に異種として見られ、時として化け物と呼ばれもした……。 同じ人間なのに――何故? この疑問が不満、嫌悪、やがて憎悪となり、奇異の眼差しで見るナチュラルと、それを劣等種として蔑む覚醒者イレギュラー。 二つの人種による対立にまで発展した……。 対立は長く続いたが、それらに楔を打ち込み、人々の理解・恒久和平を実現するべく。 世界の国家を統合する【UNION】が設立。 世界は、人々は、着実に歩み寄ろうとしていた……。 しかし……一度付いてしまった火種を、完全に消すことは簡単な事ではない。 世界各地でテロ行為が頻発し、多くの犠牲を出してしまった。 時代が反テロへと向かう中……世界を乱す者達へ、罰を下す者が現れる 。 【聖十字騎士教団】 イレギュラー兵士【騎士】を用いる、ユニオンの非正規軍である。 これは、教団に所属する騎士の記録。 そして――運命の序曲。
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