めんどくさがりは実は……

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「ふぁ~……眠い……」 今日から二年か、やれやれ……高校とは些かめんどくさいものだな。 「お、観音か……一番乗りだな」 「おぉ……西村先生。おはようございます」 「ふむ、やはりお前は礼儀正しいな。職員室でも評判だぞ……成績以外わな」 「……テストはめんどくさいんですよ……」 「お前のそれはどうにかならんのか?お前ならトップを狙えるだろ?」 「……いや、めんどくさいんで私には必要無いですよ……ふぁ~……」 世の中楽して生きたいからね……。 「まぁいい……ほら、受け取れ」 「む……クラス分けか……ま、見なくても分かるのだがね……」 そう言って私は、西村先生から受け取った封筒を破り、紙を開く。 「……ふむ、やはりな……」 その紙にはデカデカとFの文字が……。 「これで、楽が出来る」 「はぁ……やはり無理にでもAクラスにしとけばよかったか……」 「それは教師としてどうなんですか……」 「学園長も言っていたんだがな……」 「はぁ……まぁ、やる気が出たら、Aクラス行きますよ。勿論、実力で」 「その気が無いのに言うもんじゃないぞ……」 「それは失礼しました……あ、先生……」 「……何だ?」 「試験召喚戦争……もしうちのクラスでやる気のあるものが居たの話ですが……それだけはやってやらん事も無いですよ?」 「……くっくっくっ……はっはっはっは!お前は変わり者だな。Aクラスはめんどくさい、テストもめんどくさい。だけど、こう言った物にはやる気を出す……まぁ、期待してるよ」 うむ、やはり西村先生と話してると、つい時間を忘れてしまうな。 さて、教室に向かうか……。
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