めんどくさがりは実は……

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「では、自己紹介でも始めましょうか。そうですね、廊下側の人からお願いします」 「むっ、ワシからか」 「ま、頑張れ」 「……木下秀吉じゃ、演劇部に所属しておる。今年一年よろしく頼むぞい」 「いつ見ても可愛……っといかん、あいつは男だった……!」 ガッツリ聞こえてるぞ……。 「……土屋康太」 ……ムッツリーニの異名を持つ奴が……。 というか、このクラスは男子しか居ないのか……。 「───です。ドイツ育ちで日本語は読み書きが苦手です」 ん?噂をすれば、女子か……。 「趣味は、吉井明久を殴ることです☆」 「誰ッ!?」 何だ、吉井の友達か……。 「はろはろ~、吉井、今年もよろしくね」 ん?次は俺か……。 「観音一樹だ、よろしく頼む……」 シーン……。 「……ん?どうした、急に黙りこくって」 「……あの……ボク?ここは高校だよ?子供が来るところじゃ……ガッフ!?」 こいつ……今、言ってはならんことを……。 俺は確かに身長は小さいが……高校生に見えないわけでは無いだろう!!! 「吉井明久か……次そのセリフ吐いたら……これを貴様の穴と言う穴に投げ込む……覚悟しとけ……良かったな、お互い初対面で……」 俺は吉井の顔にめり込んだ消しゴムを抜き取る。 「ふみまぁふぇんふぇした……」 「分かれば良いんだ……」 俺はそのまま席につく。 「なぁ、観音一樹って、この学校きっての天才だろ?何でFクラスに……」 「何でも、あいつはめんどくさがららしい……だからだそうだ」 そこ、ガッツリ聞こえてるぞ……潰してやろうか……。
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