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「えーっと、吉井明久です。気軽にダーリンって呼んでくださいね♪」
『ダァアーリィーン!!』
野太いな……こんな奴らにダーリンとかお断りだな……。
吉井も、それなりに後悔してるだろう。顔が死んでいる……。
その時、教室のドアが開かれ、女子が一人、息を切らしながら入ってくる。
「あの……遅れてすいま……せん」
ん……あいつは……姫路か……そういやあいつ、テストの時高熱で途中退席したんだっけな……。
まぁ、どうでも良いや。
「ちょうど自己紹介をしている所なので、あなたもお願いします」
「はッ、はい!あの、姫路瑞希と言います。よろしくお願いします……!」
「はいっ!質問です!」
「あっはっはい!何ですか?」
「え~と、何でここに居るんですか?」
まぁ、仕方ないか……これを知ってるのは、姫路と同じ教室で受けた奴しか知らんからな。
「そ、その……試験の最中に高熱を出してしまいまして……」
「あぁなるほど。俺も熱(の問題)が出たせいでFクラスに……」
「あぁ、化学だろ?アレは難しかった」
いや、そんなに難しくもなかっただろうに……。
「俺は弟が事故に遭ったと聞いてそれどころじゃなくてな……」
「黙れ一人っ子」
「前の晩、彼女が寝かしてくれなくてさぁ」
「今年一番の大嘘をありがとう」
……やっぱりFよりも少し上のクラスを選べばよかった……。
「でッでは、一年間よろしくお願いします!」
あいつもあいつで大変だな……まぁ、私には関係の無いことなのでスルーだ。
「……お主は他の男子みたいに浮かれんのだな?」
「……君も男子だろ、秀吉……お互い様だ。それとも、私もあ奴らみたいに小躍りして浮かれろと?」
「……いや……すまん、正直言ってそんな想像、お主では出来ん……」
「当たり前だ。私はそんなキャラではないんでね」
「まぁ、ワシの友人があんなのと一緒じゃ無くて良かった」
「それこそ本気で心外なんだが……」
あんな奴らと同率に見られたら、たまったものではないぞ……。
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