めんどくさがりは実は……

7/14
前へ
/18ページ
次へ
「えーっと、吉井明久です。気軽にダーリンって呼んでくださいね♪」 『ダァアーリィーン!!』 野太いな……こんな奴らにダーリンとかお断りだな……。 吉井も、それなりに後悔してるだろう。顔が死んでいる……。 その時、教室のドアが開かれ、女子が一人、息を切らしながら入ってくる。 「あの……遅れてすいま……せん」 ん……あいつは……姫路か……そういやあいつ、テストの時高熱で途中退席したんだっけな……。 まぁ、どうでも良いや。 「ちょうど自己紹介をしている所なので、あなたもお願いします」 「はッ、はい!あの、姫路瑞希と言います。よろしくお願いします……!」 「はいっ!質問です!」 「あっはっはい!何ですか?」 「え~と、何でここに居るんですか?」 まぁ、仕方ないか……これを知ってるのは、姫路と同じ教室で受けた奴しか知らんからな。 「そ、その……試験の最中に高熱を出してしまいまして……」 「あぁなるほど。俺も熱(の問題)が出たせいでFクラスに……」 「あぁ、化学だろ?アレは難しかった」 いや、そんなに難しくもなかっただろうに……。 「俺は弟が事故に遭ったと聞いてそれどころじゃなくてな……」 「黙れ一人っ子」 「前の晩、彼女が寝かしてくれなくてさぁ」 「今年一番の大嘘をありがとう」 ……やっぱりFよりも少し上のクラスを選べばよかった……。 「でッでは、一年間よろしくお願いします!」 あいつもあいつで大変だな……まぁ、私には関係の無いことなのでスルーだ。 「……お主は他の男子みたいに浮かれんのだな?」 「……君も男子だろ、秀吉……お互い様だ。それとも、私もあ奴らみたいに小躍りして浮かれろと?」 「……いや……すまん、正直言ってそんな想像、お主では出来ん……」 「当たり前だ。私はそんなキャラではないんでね」 「まぁ、ワシの友人があんなのと一緒じゃ無くて良かった」 「それこそ本気で心外なんだが……」 あんな奴らと同率に見られたら、たまったものではないぞ……。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

120人が本棚に入れています
本棚に追加