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「アキくん。起きて下さい――あら」
朝、僕を起こしに部屋に入って来た姉さんが、目を丸くして足を止めた。
「起こされる前に起きてるなんて珍しいですね」
「まあ、たまにはね」
ベッドに腰をかけたまま、姉さんに軽く微笑みかける。
実は、姫路さんも両親と帰ってしまったし、今日は日曜だからという理由で徹夜でゲームをしてたんだけど、姉さんにバレるわけにはいかない。
姉さんの監視の目が厳しくて、ここのところ姉さんが寝たあとぐらいしかゲームする時間がなかったからついやりこんでしまったよ。
「せっかく、今日はこれを着せようと思っていたのですが…残念です」
少し拗ねた口調で言いながら姉さんが両手で持っているのは…
「アウトー!それはどう考えても男の僕には無理だと思うんだっ!」
体操服と、ブルマだった。
「大丈夫です。アキくんなら、これも」
「ストップ姉さん。それはレオタードじゃないの?あと全然大丈夫なんかじゃないからね!?」
「ただのレオタードではありません。バニーガールの衣装です」
「余計ダメだよ!」
姉さんが取り出そうとした黒い何かをなるべく見ないようにして、寝不足の頭を振る。
「とにかく、僕は起きてたんだからもういいでしょ?さ、着替えるから出てってよ」
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