第8話 狙われた凪

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ テニスコートの一件から、凪は単独行動をするなと言われ、常に誰かと行動するようになった。 今日はテニス部の練習日なので、教室に伊藤が迎えに来る約束になっていたのだが、いつまで経っても彼は来なかった。 朝見掛けた時は元気そうに朝練に取り組んでいたので、具合が悪くて早退したとは思えない。 約束を破る人間ではないため、浩樹や土方に念を押されてはいたが、彼を捜しに行く事にした。 まず、伊藤のクラスに行ってみたが、彼の姿はなかった。 終業と共に教室を出たと、クラスメイトが教えてくれた。 よって、今度はテニス部に向かったのだが、伊藤はまだ来てない。 東屋や図書館、体育館にも行ってみたが、彼の姿はなかった。 諦めてテニス部に戻ろうとすると、体育館の物陰から伊藤の声がした。 凪は声をかけようとしたが、込み入った話をしているようなので、そのまま立ち去ろうとしたのだが、自分の名が出てきたので、気になってそっと覗いた。
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