第8話 狙われた凪

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(あれは教頭先生に明智先生?) 覗いてみると、伊藤が教頭と明智を睨み付けながら話をしていた。 「…っ。何故、緒方さんに固執するんですか!?」 「我学園には、能力のない者はいらないのだよ。 間違って入学した者が、大きな顔をしてこの学園にのさばっている。 それは許しがたい事だ。 それなのに君は彼女に妙な肩入れをしている。 これは学園の質を落とす行為だ」 「彼女は天才的なテニスプレイヤーです!!」 伊藤のそんな訴えに教頭は嘲笑した。 「過去の事だ。今は只の能無しでしかない」 「そんな!」 「もし、これ以上彼女に関わる気なら、君の大学進学の件は白紙にさせてもらおう」 「……そんな!?この時期に取り消されたら進学先がないも同然じゃないですか!」 愕然とする伊藤に、教頭は勝ち誇ったように笑い、彼の肩を叩いた。
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