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「君が私に逆らうから悪いのだよ」
「先生がそのような考えならば、俺は理事長に直訴します!」
理事長と聞いて、バカにしたように鼻で教頭は笑った。
「あんな若造に何も出来るものか」
「……明智先生。先生も同じ考えなんですか?」
そう問われ、教頭の後ろに控えていた明智は目を見開いた。
「明智先生はいつも『ここの生徒は自主性があっていい』と、言われていたじゃないですか。
なのに何故、このような事に加担されるんですか!?」
明智は、ピクリと身体を動かし、揺らいだ瞳で何かを言おうとしたが、教頭と目が合い、俯いた。
「明智先生も本音では、生徒が自由すぎるのは問題だと思っていたのだよ。
そうですよね?明智先生」
否定を許さない教頭のセリフに、明智は黙ったまま頷いた。
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