第8話 狙われた凪

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骨髄移植に向けて抗がん剤や放射線を当てたりしているのだが、彼女はⅡ群の稀な血液型をしている。 よって咄嗟の輸血が難しい。 毛利がこうして頼んでいるという事は、緊急事態が起きたに違いない。 そして、彼女と同じ血液型の凪に血を分けてくれと頼んでいるのだ。 凪は迷わず、毛利の手を取った。 タクシーが捕まれば5分で病院に着く。 凪は膝に傷みを感じながらも全速力で走った。 「緒方!!」 土方もまた生徒会室を飛び出し彼女を追ったが、1歩間に合わず、彼女達は既にタクシーに乗り込んでいた。 凪を乗せたタクシーを見送りながら、土方は舌打ちをした。 そして自分もタクシーを捕まえようとしたが、なかなか捕まらない。 仕方ないので、そのまま走り出した。 (嫌な予感がしたんだ。 あいつの性格なら幼い命を自分が救えるなら迷いなく彼女が助かるまで自分を捧げる)
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