第8話 狙われた凪

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土方は毛利を解放し、椅子に腰掛けた。 「今はお前の妹の無事を確認するのが先だ。 助かって貰わなきゃダメなんだ。助からなきゃあいつの罪は贖う事は出来ない。 これはあいつの、凪の罪滅ぼしなのだから」 そう、凪は自分の命を粗末に扱った罪を拭いたいと思っている。 だから早苗が元気になる事で、本当の意味で凪が立ち直れるのだと土方は信じていた。 信じていたからこそ、最近の彼女の行動を見守ってきた。 (頼むから俺のその選択が誤りだったと思わせないでくれ!) 土方はひたすら祈りながら『手術中』のランプが消えるのを待った。
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