第8話 狙われた凪

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ それから少し経って、凪がストレッチャーに乗せられたまま処置室から出てきた。 眠っているが、疲れもあるせいか顔色が悪い。 「凪!」 土方は凪に駆け寄り彼女の手を握った。 そして彼女の顔を確認すると再び椅子に腰掛け、扉の上のランプを見つめ始めた。 その行動に毛利は首を傾げた。 「土方。緒方に付き添わなくていいのか?」 「……まずはお前の妹の無事を確認してからだ」 「だが、心配なんだろ?」 問われて土方の肩が僅かに揺れたが、赤々と点灯しているランプを睨むように見つめて動こうとしない。 「俺はあいつの代わりに妹の無事を確認する。黙って祈ってろ」 絞り出すような言った土方のそのセリフに、付き添っていた凪の父親は驚いたように彼を見たが、そのまま苦笑して凪についていった。 沈黙が流れる。 痛いくらいに静まり返ったそこで、彼らはただただランプを祈るように見つめていた。 そしてランプが消えるのと同時に全員が扉の前に集まった。
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