919人が本棚に入れています
本棚に追加
/582ページ
あっさり言ってのける凪に、高杉は目を白黒させていたが、フッと笑みを溢した。
「……あなたって謎だわ。
一体どちらが本当の緒方さんなのかしら?」
思っても見なかったセリフに凪は目を瞬かせた。
「見た目は何処にでもいる女の子。守ってあげなきゃという雰囲気を放ってる。
でも、今、ここにいる緒方さんは違う。
あの生徒会の中にいても発言力を持っている強い子に見えるわ」
「すぐ泣き出しそうだとは、小さい頃から言われてましたからたぶん凄く弱そうに見えるんでしょうね、あたし。
まあ、確かに、強いか弱いかと言われれば、あたしは自分を弱いと思ってます。
ただ、弱いからこそ、強くあろうとはしてます」
強い意思を込めてそう言える人間は、少なくても弱くはない。
高杉は苦く笑うと、再び頭を下げた。
最初のコメントを投稿しよう!