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「私の負けね。私は本当に焦っていたわ。
以前は、雑誌でひっぱりだこだったのに、流行が去ろうとすると共に、オファーが減り、今では一社だけ。
私のモデル人生はもう終焉に近付いてる。
その恐怖と戦っていた時に今回のコンテストが開催された。
チャンスが来たと思ったわ。
でも、蓋を開けてみたら女子の票は緒方さんに流れていた。
焦ったわ。でも、同時にこうも思った。
なんの変鉄もない子がどうして?
デキレースなのかもしれないって。
なら妨害してでも勝ってやるって思ったわ。
認めたくなかったのよ。
みんなに私が飽きられてる事を。
だから教頭先生から原稿を摩り替えるよう言われた時は、なんの罪悪感もなかった。
けど……」
高杉はそこで一度区切ると、困ったように笑った。
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