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「あなたは不思議な子ね。
こうして話してるだけであなたを知りたいと思ってしまう。
そして、そう思い始めると、自分がいかに醜いか思い知らされる。
普通はそうなると反発するものなのに、嫌な感情が何故か起きない。
これが、みんながあなたに魅了される理由なのね……完全に負けたわ」
「……高杉先輩…」
「あら?でも、まだコンテストに負けたとは思ってないわ。
これから私は自分の全てを正々堂々と出しきって、あなたに勝ってみせるから覚悟なさい」
高杉はそう言うと、凪の頬を羽で優しく撫でるかのように触れ、生徒会室を出て行った。
その音を聞き、資料室から浩樹達が出てきたが、何故か浩樹が傷付いた表情をしている。
「浩樹先輩?どうかなされましたか?」
すると浩樹は先程の会話の自分の扱いについて、酷すぎると訴えた。
「……ひどかったですか?」
「なんだか、バカだと言われた気がした……」
それを聞いて、凪は全身で慌てて否定した。
「ち、違いますよ!?
あたしは、浩樹先輩をバカにしたわけじゃなくて、上に立つ者は寛大さがないと下はついて来ないという気持ちを込めてですね……!
それにサブの静香さんが充分厳しいですし、土方先輩や藤堂先輩なんて鬼畜レベルに切り捨てる人ですから浩樹先輩はそうじゃないとダメなんです!」
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