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本選は知力も競わせると最初の説明にあった通り、数学や古典からの出題もあった。
一年の凪には若干不利かと思われたが、特別クラスに行くと決めていた彼女はそれらの問題も難しい表情ではあったが、クリアしていった。
そして、凪は次の課題である、パンフレットに載せる学園の生活について考えるため、今までの事を振り返っていた。
『おい、新入生』
バスから降りて最初に話したのは浩樹だった。
人を惹き付けて止まない圧倒的な存在感に心を奪われ、思わず『殿様?』と呼んだ事をを思いだし、クスッと笑みを溢した。
そのまま強引に連れ拐われて、生徒会室に入り土方と出逢った。
(あの時の土方先輩怖かったなぁ)
目を閉じると鮮明に浮かぶ土方の表情。それは全てを拒絶する冷たい氷の刃のようで近付きたくないとさえ思った。
「でも、生徒会に入ったお陰で、土方先輩が本当は優しい人だと知れて良かったな」
「俺が優しいか?」
誰もいないはずの生徒会に土方の声が聞こえ、凪は目を開くとそこには土方が自分を見下ろすように立っていた。
「待たせたな。課題は終わりそうか?」
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