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(俺を見て、赤くなった?
ということは、まさか、異性として俺を意識しているのか?)
『チャンス到来』
脳裏にハデなネオンのようにそのフレーズがピカピカと点滅し始めてるのが浮かんだ。
本来なら目的を達成するまで封印すべき事だ。
だが、このチャンスを見逃すわけにはいかない。
相手はドS級のスーパー鈍感凪だけに、意識されてるうちに何とかしなければならない。
土方は生唾を飲み込み、慎重に凪の肩に手を置き、ゆっくり自分を見るように促した。
「凪。先程俺を優しいと言ったな?」
凪は顔を赤らめたまま頷き、恥ずかしいのか上目遣いで土方を見ている。
「俺は誰にでも優しいわけじゃない。ただ、凪のためになるのなら、なんでもしたいと思っている。
いや、身体が勝手に動いてしまう。
俺にとってそのくらいお前が大切なんだ。凪」
「土方先輩……」
いつもと違う雰囲気の土方に戸惑いながらも、熱い眼差しを受けて凪の胸は痛いほど跳ね続けている。
「俺はこれから先もずっと凪と共にいたい。
解るな?」
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