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「なんで叫ばねぇんだよ!?コイツ!!」
息を切らせながらそう言うバスケ部に、柔道部は任せろと下がらせる。
そして、柔道部はズボンのポケットからナイフを取り出した。
「おい、流石にそれはヤベエよ」
金属の鈍い光にバスケ部が怯んでいると、柔道部は楽しそうに笑った。
「バーカ。刺したりとかしねえよ。脅すだけだって。
ほら、見てみろよ。コイツの顔」
そう促されて凪を見ると、先程までの眼光が消え去り、焦点の定まらない瞳のまま固まっていた。
「なるほど、効果ありだな」
「だろ?」
柔道部は得意気に笑うと、凪の上に馬乗りになり、抵抗出来ないように縛った手を彼女の頭上に持っていき、押さえ付けた。
そしてナイフの背で凪の頬を撫でる。
「怖いか?怖いよなぁ?
俺達をバカにするお前が悪いんだ。その可愛い顔が傷つきたくなきゃ俺達に詫びるんだな」
そんな声が聞こえてきたが、凪の意識は別の所に行っていた。
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